●相続会議
連載【不動産相続と土地活用】
2021年01月11日掲載
相続によって引き継ぐ遺産の額は、人によっては数百万円から数千万円、なかには数億円、数十億円という場合もあるでしょう。それまでまったく資産運用には縁のなかった人が、まとまった金額の遺産を手にしたことで急に資産運用を考え始めるケースも多くあります。そのような資産運用初心者が、遺産の運用で失敗しないためのポイントを、独立系ファイナンシャル・プランナー(FP)歴23年の「お金と記憶の専門家ヒッシー」こと菱田雅生が解説します。
巨額相続は決してレアケースではない
2019年に国税庁が公表した「平成30年分相続税の申告事績の概要」によると、1年間で亡くなった人のうち相続税がかかった人の割合は8.5%でした。おおよそ12人に1人が相続税の負担が必要になるレベルの財産を残したことがわかります。相続税の申告が必要だった被相続人(亡くなった人)1人当たりの課税価格は約1億4000万円で、相続税額は約1800万円。ということは、相続人が2、3人なら、1人当たり数千万円の遺産を受け取っていてもおかしくはない計算になります。
そのような数千万円から数億円の遺産をもらう人が、約12人に1人の被相続人に対して数人程度いるわけですから、人数的にはごく少数というよりも、意外と普通にいるのではないかと思われます。実際に私も、過去何人か数億円の遺産の運用について相談を受けたことがあります。では、数千万円から数億円、またはそれ以上の遺産を相続した人は、その財産をどのように運用したらよいのでしょうか。
預貯金に潜む3つのリスク
重要な結論から言うと、まずは「守り」から考えることです。資産運用というと、とかく「増やす」こと、つまり「攻め」の運用から考えがちですが、まとまった金額だからこそ・・・
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